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マッサージと整体、整骨院、リラクゼーションって何が違うの?

こんにちは!茨城県那珂市で鍼灸院をやっています海老澤由子と申します。

今回は、鍼灸、あん摩マッサージ指圧師(以下、あま師)、柔道整復師の国家資格を持つ私が、マッサージと整体、整骨院、リラクゼーションの違いを書いていこうと思います。

グレーなところがあるので、白黒はっきりとはいきませんがお付き合いください!

はじめに

マッサージと言うと、一般的には手や道具を使って身体をほぐしてもらう行為を総称して使うことが多いと思います。

でも、実はマッサージという手技はきちんと定義されていて、一般的に言う『マッサージ』と実際の『マッサージ』ってちょっと違うんです。

さらに、一般に言うマッサージは接骨院(=整骨院)や整体、リラクゼーションサロンなど色んなお店でやってますよね。

でも、よく聞いてみるとお店では『マッサージ』とは言わず、『もみほぐし』『ゆるめる』『ケア』などの言葉を使っていると思います。

それはなんでか?

実は、『マッサージ』『指圧』『あん摩』と言う言葉が使えるのは『医師』『あん摩マッサージ指圧師』『理学療法士』(医師の指示があれば)だけだからです。

なので、実際にやっていることは一般に言う『マッサージ』でも『マッサージ』って言えないんです。

おわり!

…じゃなくて、この後は『マッサージ』『指圧』『あん摩』という手技についてと『整骨院(=接骨院)』『整体』『リラクゼーション』について説明していきます。

マッサージ、指圧、あん摩とはこんなやつ!

マッサージとは

マッサージはヨーロッパで発祥し、明治時代に日本へ輸入されました。

マッサージはオイルやパウダーを使用して、末梢(手足)から中枢(心臓)へ向かって求心性に施術を行い、滑らす、流す、揉むなどの動きを行います。

また、マッサージはオイルやパウダーを使用するため、肌に直接触れて皮膚刺激を与えるのが特徴です。

リラクゼーションサロンなどで行われるオイルマッサージやアロマトリートメントなどがこれにあたります。

指圧とは

指圧は、明治時代末から大正時代にかけて日本で発祥しました。

服の上から指や手のひらを使って押す手技です。

指圧には『持続』『集中』『垂直』の原則があり、ピンポイントにじっくり真っすぐ押すのが指圧です。

揉んだり叩いたり揺らしたりはしないのが特徴です。

指圧は『もみほぐし』などと表現されているお店が多いです。

あん摩とは

あん摩(按摩)は古代中国で発祥し、奈良時代に日本へ伝わり、鍼灸や漢方などと一緒に東洋医学の考えに基づいて発展しました。

あん摩は、マッサージとは逆の中枢(心臓)から末梢(手足)へ向かい、遠心性に施術を行います。

あん摩は押す、揉む、さする、なでる、叩くといった手技があり、指圧やマッサージと比べて手技の数がとても多いので覚えるのも大変で、手技自体も難しいものが多いです。

専門学校で3年かけて学んだ私ももう出来ない手技がいっぱいあります…有名どころ以外、正直名前も憶えているか怪しいレベルです…

床屋さんや美容室などで行われるマッサージはこのあん摩が多いです。

両手を合わせてパンパンと肩を叩くマッサージは、拍打法(はくだほう)というあん摩の手技です。

あん摩は側臥位(横向き寝)や座位(座り姿勢)での手技が多く、うつぶせの手技がないことが特徴です。

あん摩マッサージ指圧師とは?

あん摩マッサージ指圧師は、文部科学大臣もしくは厚生労働省大臣が認定する専門学校または短大、大学などの学校・養成施設で東洋医学、解剖学、生理学、臨床医学、運動学、リハビリテーション医学などを3年以上かけて勉強し、国家試験の受験資格を取得後、国家試験に合格して取得できる資格です。

整体とは

まずはじめに、整体は無資格でもできます。

整体をやるための国家資格は日本には存在しないので、今はもみほぐし等のマッサージ、矯正、カイロプラクティックなどなど…身体に対して何らかの施術をする場所を『整体院』としているお店が多いです。

ただ、施術に関しては骨盤矯正だったり、姿勢矯正だったりカイロプラクティックの手技(脊椎を中心に身体のゆがみ等を調整する手技)は『整体』、マッサージ・指圧等の施術をあま師以外が行うものは『もみほぐし』と表現して分けているお店が増えてきたように感じます。

ちなみに、整体は元々はカイロプラクティックが分派してできた名称らしいです。

カイロプラクティックはアメリカであれば、ドクターオブカイロプラクティック(D.C.)といって大学で専門学位を取得し、試験をパスしてはじめて取得できる資格です。

ただ、日本では、カイロプラクティックの資格は民間資格しかないため、絶対に資格が必要なものではありません。

なので、施術者は無資格、民間資格取得者~カイロドクター(D.C.)または医療系国家資格者(理学療法士、柔道整復師など)まで幅広く存在しています。

そしてさらに、マッサージや指圧、あん摩などの手技も(技術面は別として)『マッサージ、指圧、あん摩』などの言葉を使わずに行えば『医師』『あま師』以外の人が行っても法には触れないので、『整体』と表現して行っているお店もあります。

そんなわけで、『整体』はお店単位で行っていることが違ってきます

例えば、あなたが揉まれたい!と思って整体院に行ったのにポキポキ(矯正)されたとか、姿勢が悪いから姿勢矯正をしたい!と思っているのにマッサージしかしてもらえなかった…みたいなミスマッチも起こったりします。

そのようなことを防ぐためには、事前に各お店のホームページでどんなことをやっているお店なのか確認したり、問い合わせをしてから行くようにすると良いですね。

整骨院(接骨院)とは

国家資格『柔道整復師』が施術を行うお店です。

接骨院と整骨院、ほねつぎなどの名称がついています。

柔道整復師は骨折・脱臼の応急処置、捻挫、挫傷(肉離れなど)、打撲など怪我に対する施術が認められている国家資格ですが、『マッサージ』という名称は使えません。

なので、院内ではマッサージなどの手技を行う場合、『ほぐす』『ゆるめる』などと表現していると思います。ぜひこっそり聞いてみてね!

ちなみに柔道整復師は柔道整復学、解剖学、生理学、外科学、整形外科学、一般臨床医学、運動学、リハビリテーション医学などの知識を3年以上かけて学び、柔道整復師国家試験の受験資格を取得した後、国家試験に合格して取得できる資格です。

柔道整復師はとくに骨や筋肉に関する知識が豊富で、テーピングや包帯などによる固定、怪我の治癒を促進させる電気などを使用した施術、患部の血流を促すために行う患部へのリハビリ(マッサージ、ストレッチ、関節可動域訓練等)を行います。

お気づきでしょうか?整骨院は怪我の施術を行うところで、骨盤矯正を行うところではないのです。

なので、整骨院で行っている骨盤矯正・姿勢矯正なども資格があるからできるというわけでなく、先ほどの整体と同じ扱いになります。

整骨院って保険が使えるマッサージ屋さんじゃないの?

接骨院では、急性の怪我に対して健康保険(療養費)が適応できますが、慢性症状に関しては使えません。

寝違えやぎっくり腰でかかる分には健康保険が使える可能性が高いですが、肩こりや慢性腰痛などでは使えません。

仮に、そういった症状で健康保険を使っているとしたらそれは不正請求になるのでご注意ください。

リラクゼーションとは

リラクゼーションも統一されていないので、様々な手技があります。必要資格もありません。

リラクゼーションは、『癒し』『リラックス』を目的として行っているお店が多く、施術者は『医師』『あま師』の国家資格がなくてもできます。

手技としてはマッサージや指圧、あん摩に近い手技をするところが多く、特に女性をターゲットにしたようなお店だとオイルを使ったオイルマッサージを行っているお店が多い印象です。

マッサージはオイルやパウダーを大量に使うのでタオルが大量に必要だったり、その後の洗濯の量が増えるなどの手間が結構かかるため、あま師が全身のオイルマッサージを行っているというようなお店は正直あまり聞かないです。

そもそも他の医療系国家資格に比べて『あま師』は人数が少ないせいもあるかもですが…

なので、オイルマッサージを受けたい!と思ったらリラクゼーションサロンで受けることが普通になるかと思います。

ただ、やはり施術メニューはお店単位で変わってくるので、行かれる前には各お店のホームページ等で確認してからご予約くださいね。

さいごに

『医師』以外の人が人に触って色々やるには国的にはそれ相応の資格用意してるから資格取得してやってねー!ということなんでしょうけど、需要はあるのに資格整備されていないものもあったりで、一般の人にはすごくわかりにくい状態になっているのが現状です。

結局のところ、自分で『ここが好き!』『ここの施術が合う!』といった感覚的に合うところで施術を受けるのが一番かなーと思います。

ただ、国家資格者は3年以上かけて最低限の医学知識、身体の構造、技術などを勉強して、国家試験に合格しているわけで、そこはお店を選ぶときの安心材料にはなるかなとは思います。

ちなみに当院では鍼灸と指圧、矯正、ストレッチを組み合わせた施術を行っています!